| 新藤風(しんどう・かぜ)監督: |
新藤兼人監督の孫で、TV番組「つんくタウン」から生まれた映画「LOVE/JUICE」を初監督し、ベルリン映画祭のフォーラム部門で新人賞に当たるウォルフガング・シュタウテ賞を受賞した。本作は日本では公開済だが、3月17日より新宿東映パラス3にて凱旋公開も決定している。 |
| 河瀬直美(かわせ・なおみ)監督: |
デビュー作「萌の朱雀」で97年第50回カンヌ映画祭にてカメラ・ドール賞(新人監督賞)を史上最年少で受賞し世界へ鮮烈なデビューを飾った。最新作「火蛍-ほたる-」は、3月24日(土)より、テアトル新宿ほかにて公開される。
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| 司会・市山尚三(以下、市山): |
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今日は、「ブラックボード-背負う人-」の特別
上映会に、いくつかの共通点がある3人の女性監督の方々にゲストとして来ていただきました。
共通点の一つは女性監督であるということ。
女性でも男性でも良い監督は良いのですが、人口の割合的に男性・女性とほぼ半々なのにも関わらず、世の中には何故か男性の監督が多い。その理由には色々あるかと思いますので、今日は非常に才能のある三人の女性監督にお集まりいただきました。
もう一つの共通点は、若くして監督デビューをされていること。 年齢も映画の良し悪しとは関係ないと思いますが、普通
映画監督というと30歳・40歳になってようやくデビューデビューする監督もいます。
ところが、河瀬さんも新藤さんも20代でデビューされています。サミラさんは、18歳で「りんご」という作品を撮られており、非常に若くしてデビューされているという共通
点があります。 また、各監督とも、海外の映画祭でデビュー作から高く評価されています。
河瀬監督は、カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール賞(新人監督賞)を受賞。新藤監督は今年のベルリン国際映画祭で、ウォルフガング・シュタウテ賞(新人賞)を受賞。サミラ監督は、デビュー作「りんご」で、カンヌ国際映画祭の“ある視点”に出品され、二作目の「ブラックボード-背負う人-」で審査員賞を受賞というように、普通
の監督では考えられないような非常に高い評価を国際映画祭で受けていらっしゃいます。
まず、河瀬監督は、ずっとドキュメンタリーを撮り、その後「萌の朱雀」で劇映画を始めて監督されましたが、ドキュメンタリーから劇映画に移られた時の経緯は?
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| 河瀬直美監督(以下、河瀬監督): |
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元々、学校時代には劇映画のコースで勉強していました。でも、コンテを割って、物語を作って表現する世界というのがなかなかうまくできず、自分の思いを入れ込んでしまう堅苦しさみたいなものがありました。
一度、現実に自分の視点を戻してみよう、もっと広げてみようと思い、ドキュメンタリーを撮ったのですが、それは自分自身のプライベートな部分にも立ち入っていくようなもので、続けていくうちにそれが世界となって物語性を持ってきて、やっと私は劇映画を撮れるのではないかと脚本を書いたのが「萌の朱雀」です。
実は、それ以前にも中編の劇映画とかを撮っていますが、今、実はbox東中野で上映しているのですが(宣伝です(笑))、そういうものをやっと撮れて。そして「萌の朱雀」で評価されましたが、自分の表現の軌道の中では、ドキュメンタリーとフィクションという二つの間をいつも行き来しているという、そういう心模様です。
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| 市山: |
ドキュメンタリーは、少ないスタッフですが、劇映画は少人数でも20人くらいのスタッフで撮影します。しかもデビュー作はベテランのカメラマンの方だったり等々、ギャップはありませんでしたか? |
| 河瀬監督: |
ギャップはありました。
大変戸惑い、スタッフに迷惑をかけ、「萌の朱雀」は西吉野村という奈良の山奥で撮ったのですが、皆山を降りるとか言い出したりして、すごく混乱していたのですが、それでも持ち前の根性でなんとか現場を乗り切って(笑)、やっと完成させた次第です。
それでもスタッフや、地元の人を良いと思えば俳優として登場させる感覚は、サミラ監督と似ているのではないかと思います。
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