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不肖・伊従淳一 の N Y & L A 日記 |
| LA編2日目、そして最終日。 朝は9時半から夜は8時まで。食事時間を除けば約10時間の取材。今日の取材は20近く。「今日はいくつ取材があるの。」と聞かれ正直に答えられなかった。 思えば2月15日は北野組LA編での撮影は実景を残したクランクアップの日であった。「今度また撮ることがあったら、よろしく頼むよ。」と監督がオマーに言って抱き合ったのを思いだした。 ![]() 今日はホテルのスイートルームでの取材となる。 海外で撮影することになったきっかけ。 暴力表現のあり方。 テレビと映画における北野のスタンス。 LAをロケ地に選んだこと。 影響を受けた作品や監督は? などといった質問が繰り返される。 タバコを吸いつつ答える監督。質問については通訳の臼居だけでなく、もう森さんや私も代わりに答えられる。 『ヴェニスマガジン』という雑誌の取材中、宣伝担当が中年の女性を連れてきた。と、監督に駆け寄るやいなやいきなり抱きつき、「オー!ミスターキタノ、抱きしめサセテ。アンタの映画はサイコーだよ。JAZZなんだヨー。全部観てるヨ、あーうれしいヨー、ありがとう、ありがとう! じゃあ帰るよー、バーイ!」時間にして約20秒ほどの出来事であった。2月15日、一年前と一年後の抱擁のシーン。聞くとこの『ヴェニスマガジン』の社長だという。まあありがたいことではあるが・・・。取材に戻ると、この記者は今度初めて監督をするという。何かアドバイスを、という質問に対して、 「人の話を聞かないことだ。自分がいいと思ったらそれを撮ればいい。人の話を聞くのは何本か撮ってからでも遅くない。」 と答える。真剣に聞き入る記者に、 「まあ、ずーっと客が入らないこともあるよ。オレみたいにさ。」 と加える。2人とも苦笑い。 日本語を勉強中の外国人記者の質問では、「今回の作品は9作目ですネ。その流れはどういう風に入っていますか?」「カントクするとき、アプローチは何ですか?」なかなか流暢な日本語なのだが、ほんのちょっとだけ微妙なズレが。言ってることはわからなくはないんだが・・・。現場にいた我々は、しばしその解釈について話しあうことに。 などなどあって取材は8時過ぎに終了となる。海外での取材最長記録となった。「いやー、疲れた。いいかげんにしねーか。」と監督。LA在住の北野組スタッフと食事に行くエレベーターの中で、「取材って疲れるよな。やっぱりメジャーの監督って、こういうのやらなきゃいけないんだろうけど、疲れるわ。何かいい方法はないもんかな。」と言う監督に、「そうですね、映画撮らないことじゃないですか。」と答えてしまう。『ソナチネ』のエレベーターのシーンと同じ空気が一瞬流れた。 明日帰国する。 |
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