桜並木の満開の下に

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桜並木の満開の下に』初日舞台挨拶開催決定!



よろしくお願い致します。

臼田 宜しくお願いします。

舩橋 こんにちは。よろしくお願いします。

さぁ、今日お披露目の日を迎えましたけれども、臼田さん。お気持ちいかがですか。

臼田 東京では桜がわりともう葉桜となってきているのですけれども、こういう暖かい日に今日のような日を迎えられて
とても良かったなと思っています。

はい。監督はいかがでしょうか

舩橋 撮影はちょうど今から一年くらい前なんですよ。ちょうどその一年後にお披露目できるのはとても嬉しいです。
いま一番いい時期にお披露目できたな、と。大変嬉しく思っております。

お二人にはこれから作品の内容についてもお聞ききしたいのですが、まずは臼田さん。

臼田 はい。

映画では幸せな結婚生活を送っている中、ある日突然、旦那様を亡くされてしまいますよね。 悲しみの中、事故の原因となった男性との間に恋愛感情が芽生えて行く、そんな役柄を演じられるのは難しかったと思いますが、準備などをされて撮影に望まれたんでしょうか。

臼田 台本を読んでもちろん理解して撮影には入ったんですけれども、事前の準備はほとんど出来なくって。あえてやったことと言えば撮影前に工場に行って、 工場の機械を触って、慣れておくというくらいで。撮影しながらその場で芽生えた感情がすごく大事なんじゃないかなって思ったので、心情的には役作りみたいなことは特にはしませんでした。

そうですか。ではこのようなことが自分に置き換えたら、ということもあまり考えずに?

臼田 そうですね。いつもはどんな役をやっていてもその役は自分ではないので、あんまり自分に置き換えてという考え方はしないんですよ。でも、この作品は撮りながらも感じてたんですけど、こういう本当に悲しいことというか不幸なことっていうのはある日突然、 どんな人にも起こりうるっていうのを、多分皆さんも沢山か感じる事があるだろうなと思うんですよ。 震災もありましたし、悲しい事件っていっぱいあるので。報道などで見る悲しい事が、他人ごとだとは思えなくなりました。

監督、臼田さんにはこういう風に演じてほしい、こうやって欲しいという何か特別なお願いはあったのでしょうか。

舩橋 ……実は、あんまり覚えてないんですけれども(笑)。ただやってみて画を見ながら感じてたことはですね、まずは存在感がある、ということだったんです。(臼田さんに)覚えてるかな、最初に会った時に「とにかく『まばたき』をしないでくれ」って、

臼田 あ、はい。おっしゃってました。

舩橋 それは言った記憶があります。(臼田さんは)間違いなく存在感があるのだけれども、この映画は恐らく"内に秘めた心理劇"になるので、彼女が演じる栞という役が内面に思っていることに、観ている人が少しずつ少しずつ入って行く。 「目で語る映画」になってくるとだろうと思ってたので、臼田さんの目つき、っていうと言い方がわるいですけど、それが大切になってくるんじゃないかと。

なるほど。

臼田 でも、海とかで撮影したじゃないですか、だから風とか、潮風とか来て、結構『まばたき』しちゃいましたね。

舩橋 うん(笑)。うまいこと編集しております。

そうなんですね! それでは監督がなぜこの物語を作りたいと思ったのかお聞かせください。

舩橋 心理劇というのをずっと前からやりたかったんですね。日本映画がとても興隆した50年代、60年代は、文学の影響もあってそういう心理劇が大量に作られた時代だったんですね。 それは松竹が最初にホームドラマと銘打って、別に画は派手じゃないんだけれども、家族同士の関係とか、兄と妹との関係とか、だけど心の機微をじっくり見つめていくという、そういうのが量産されていました。 例えば小津安二郎にせよ、木下恵介、成瀬巳喜男といった素晴らしい監督が、そういう人間の心理だけを見つめる映画を一時期たくさん作られていて、それが結構好きだったんですね。で、このごろそういう日本映画が少ないな、自分がやってみたいな、と思っていました。 震災以後、実はその先行きが中々見えないという日々を送っている中で、やはり人間が自分の足下を見つめ直して、ちょっと振り返ってみる。 自分の心の中を覗いてみる。っていうのも、時代的にも合うんじゃないかな、というようなものがしたかった。

ありがとうございます。臼田さん、今回は茨城県の日立市で主に撮影が行われたということで、現地の市民ボランティアの皆さんの協力あって完成したと聞いております。皆様との思い出で印象に残っていることなどをお話いただけますでしょうか。

臼田 とにかく撮影はしんどいことばかりで・・・役柄的にも、笑うシーンもほとんどないですし。

舩橋 (笑)

臼田 精神的にしんどいことが多かったんですけれど。でも現地の方々がおいしいご飯やおにぎりとかを用意してくださったりして。工場内での撮影が多かったんですが、ずっと工場にいるとやっぱりその役とか作品のことばかり考えてしまうんですね。 そんな中、ふと、休憩のときとかにおにぎりをいただきながら「今日は天気いいですね」とかって声をかけてくださると、なんかちょっとだけリラックスできるような気がして、そういう時間には本当に救われました。

心のお手伝いもしていてくれたってことなんですね、ボランティアの皆さんが。ところで今、工場のお話が出ましたけれども、とても薄暗くて独特な雰囲気があるんですが、監督、あれはセットじゃないんですよ?

舩橋 はい。実は普通に営業運転している工場で、月曜から金曜5時までやってるんですよ。で、その営業が終わった後に借りて撮影をしたり、あと土日に借りて撮影をしているんです。木村製作所っていうんですが、日産の自動車の小さな部品とかを製作されていました。 日立製作所が請け負ったエンジンを作る下請けの工場があって、その下にまたちっちゃい工場があって、その更に下の工場という感じで、こんなちっちゃい部品だけだったり。で、臼田さんが演じる栞の仕事はですね、機械をバチッと押して、鉄板から部品をガチャンとくり抜く作業なんですね。何を作っているかわからないわけですよ。 このちっちゃいのが。それが労働としてどうなんだろうというのが思っていて、やっぱり自分のやっていることがよくわからない、動機がつかない、そういったのを働き続けないといけないというのが、日本で働くっていうことを考える時に、何かそういった閉塞感を表しているんじゃないかな、というのがひとつあってですね。僕は労働を描くのが結構好きなんです。 働いている人とか、自分もつなぎを着たいとよく思うんですけど、つなぎを着て作業をしている人たちに非常にシンパシーが湧くんです。みんなが一生懸命働いている環境の中で、日々暮らしている、日々生きている男女の話をやってみたいと思ったのはそういった所から来ているんですよね。

まだまだ聞きたい事はたくさんあるんですけれどもそろそろ時間が来ておりますので、今日起こしの皆様にお二人から一言ずつお願い致します。それでは臼田さんからお願いします。

臼田 今日はみなさんありがとうございます。本当は三浦貴大君にも来てほしかったんですけれども、私と監督でちょっとだけ寂しい感じになりましたが(笑)、皆さん最後まで楽しんでこれから映画、観て頂ければと思います。 ま、楽しんで、っていう作品ではないかもしれませんが、今っぽくない日本映画だと思うんで、大事に大事に観て頂けたら嬉しいです。ありがとうございました。

舩橋 これはある女性の心が180度変わってしまう物語です。演出は色々ボロが出るんですが、役者は立派です。ですので役者の映画として観ていただきたいなと思っております。よろしくお願いします。

ありがとうございました。映画『桜並木の満開の下に』は4月13日よりテアトル新宿、他の劇場にて順次全国公開となります。ぜひ最後までごゆっくりお楽しみください。本日はありがとうございました。